3月中旬の月曜日朝9:00ジャストに一通のメールが届きました。
だいたい00分ジャストで届くメールは送り主が前日以降に仕込んだ悪い内容のメールのはずです。おまけに普段こんな時間に送信してこない家具の仕入先からです。
「重要 価格改定のご案内」
当たり!開封前からわかっていました。
「価格改定」という表現はほぼほぼ値上げを意味します。
いつもの理由で値上げ
- 昨今の世界情勢に伴う円安
- 原材料高
- 企業努力では吸収しきれない
とのことで値上げの説明がありました。メールの本文に書いてあるだけですが。
この仕入先はコロナ以降3年間、同じ理由、同じメール文面で20回近くの値上げを繰り返しています。余程甲斐性が無いのか、毎月のように値上げを要請してくる時期もありました。
この家具の仕入先の値上げ要請の特徴は、
- 引っ越しシーズン、GW、盆、ブラックフライデーなど小売側の繁忙期を考慮しない
- 案内から値上げまでは10日くらいのタイトスケジュール
- 売れ筋商品は卸値だけ値上げして店頭売価は厳守しろ
こんな感じです。
売れる時期に、タイトスケジュールで、卸値だけ上げて売価は上げさせない、というやり口です。
今回もそれと同じ内容でしたが、今年に入って値上げ要請してくるのはなぜかこの仕入先だけなのです。
値上げの理由を探ってみる
- 円安といっても一時期の151円レベルよりは円高
- 原材料も送料も人件費も昨年中に散々値上げしている
- 物流の2024年問題はこれから
今の時期は昨年までの値上げが効いて利益的には余裕がありそうなものです。
2023年後半から2024年現在まで、当店も含めネットショップは苦戦しているところが多いようですから、この仕入先も出荷ベースでは売上が鈍化しているものと思われます。
この家具の仕入先は売れ筋商品を中心に、メーカー売価を「売価厳守」として小売に強制しています。売れ行きが鈍くなっていたとしても、この仕入先の卸値だけは値上げしているわけですので、利益は維持できているはずです(仕入先だけは値上げして、我々小売は「売価厳守」を強制されるので、我々の利益は減っています。)
金額ベースでは利益が出ていると考えざるを得ません。
値上げの理由はなさそうです。
それなのに、値上げですか。
売上を下げてもいいから利益を上げる値上げ
この家具の仕入先は非上場企業なので経営数値はわかりませんが、利益が減っているのでしょうか。あくまで私の仮説ですが。
2020~21年のコロナ渦による家具業界のネットビジネスは大いに活況でした。2022年以降はそこまでの活況はなくなっているので、2022~23年で値上げをしまくって利益額を確保していたのではないでしょうか。逆に2023年後半から2024年現在まで、当店も含めネットショップは苦戦しているところが多いようですから、この仕入先も苦戦していることが予測できます。つまり、その分の利益を取ろうと今年も値上げを連発することが予測されます。
3年も続けて卸値を値上げして、店頭売価も上がるとなれば、いよいよ売れなくなります。というか既に売れなくなっています。
ここの家具は自社企画の組立家具が大半で、一部は他のメーカーからの取り寄せ商品を自社パッケージにして販売しているという構成です。組立家具は市場的には低単価の商品群で、企画や品質は決して高いとは言えません。私が目利きするに、この仕入先が我々に厳守させている売価は高すぎて、そのデザインや品質に見合っていません(厳守売価を下回って販売していたら、先方がパトロールしているようで売価を直すように指導されました)
ついでに言っておくと、不良品もよく出ます。
ついでに言っておくと納期が遅いです。
今でこそ一部商品で当日出荷商品もありますが、発送まで5営業日とか1~2週間とかに設定されている商品も多く、いつ出荷されるのかがわかりません。メーカーからの取り寄せ商品は品質の高いものが多いですが、こちらも納期が長い上に、いつ出荷されるかわかりません。
最近は、他のメーカーからの取り寄せ商品が増えているようです。自社の企画力が落ちているのか、自社の製造に回す資源が乏しくなっているのか、あんまりいい傾向とは思えないです。
今後の展開
組立家具は市場的には低単価の商品群ですので、黙っていてもそれなりに売れます。
商品画像は用意してくれるし、お客様への発送もしてくれるので、我々はページ作りと発送の指示をすればいいだけです。いわゆるドロップシッピングサイトとしては有能でしょう。
カッコつけて言うならば、品質に見合わない価格のものは販売したくはないです。
こちらも商売ですので、正直なところ売れるものは売りたいです。
ここは経営者として決断しなければならないのですが、品質と価格のバランスを見ながら、止める商品と続ける商品を見極めないといけない時に来ているのだと思います。それと商売の量も加減する必要がありそうです。
経営は決断の連続。
価格改定商品は 家具とインテリア daus lab のストアブログからご覧になれます。