私は個人事業主として家具のECサイトを運営しており、日頃から仕入れや広告費の決済にアメリカン・エキスプレス(AMEX)のビジネスカードを利用しています。そのため、仕事用のメールアドレス宛てに「ご請求金額確定のご案内」というメールが届いたときは、一瞬「今月の決済処理かな?」と日常の業務感覚で受け取りそうになりました。
しかし、よく確認してみると見覚えのないメールアドレスであり、記載されているカード番号も自分のものではありません。「おかしいな」と思って詳しく調べてみたところ、本物のロゴや公式の住所を巧妙に盗用した、実に手が込んだフィッシング詐欺メールであることが分かりました。
仕事で実際にアメックスを使っている人間だからこそ、一瞬の油断で騙されてしまうリスクを強く感じます。今回は、私の元に次々と届いた具体的な手口と偽装アドレスの実態を共有します。
【実例公開】AMERICAN EXPRESSを装う不審メールの巧妙な手口
不審メールの実例①:[AMERICAN EXPRESS] ご請求金額確定のご案内
最初に届いたのは、公式からの自動送信メールを完全にコピーしたフィッシングメールです。一見すると本物そっくりですが、送信元は全く関係のない海外ドメインなどになっています。
差出人:American Express knagkhvj@konan-ah.com
件名:[AMERICAN EXPRESS] ご請求金額確定のご案内
本文:
マイ・アカウント
アメリカン・エキスプレス
カード番号(下5桁):52007
平素はアメリカン・エキスプレスのカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。
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カードのご利用がない月は「オンライン明細書」は作成されません。また、Eメールによるご案内もございません。
「オンライン明細書サービス」にご登録されていても、分割払いおよびリボルビング払いのご利用がある場合、ボーナス払いの請求月・支払い完了月、キャッシング、カード・ローンご請求残高がある場合(法令に定められている書面交付義務に基づきます)、またその他当社が必要と認めた場合には、「カードご利用代金明細書」を郵送させていただきます。
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このメールは送信専用メールアドレスから自動送信されています。ご返信いただいてもお応えいたしかねますので、ご了承ください。
【配信元】
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〒105-6920 東京都港区虎ノ門4丁目1番1号 americanexpress.co.jp
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不審メールの実例②:異なるドメインからの同じ文面
内容は実例①と全く同じですが、今度は別のドメインから送信されてきました。カード番号の下5桁も「22007」へと変更されています。
内容は同じですが、異なるドメインから送信されています。
差出人:American Express owl@ado-King.com
件名:[AMERICAN EXPRESS] ご請求金額確定のご案内
本文:
マイ・アカウント
アメリカン・エキスプレス
カード番号(下5桁):22007
平素はアメリカン・エキスプレスのカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。
ご請求金額が確定しましたので、「オンライン・サービス」へログインのうえ、ご確認ください。
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不審メールの実例③:また来た!同ドメインの別アドレスから
先ほどのメールとドメインは同じですが、アカウント名が異なるアドレスから再び届きました。カード番号下5桁は「62007」に変更されています。
差出人:American Express dkp@ado-King.com
件名:[AMERICAN EXPRESS] ご請求金額確定のご案内
本文:
マイ・アカウント
アメリカン・エキスプレス
カード番号(下5桁):62007
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不審メールの実例④:件名が「至急 ご利用代金お支払いのお願い」に変化
さらに攻撃はエスカレートします。ドメインは同じですが、メールの件名が「至急 ご利用代金お支払いのお願い」という、ユーザーの不安を煽る強い文面に変わりました。しかし、雑なことに本文内の題目は「ご請求金額確定のご案内」のままになっており、設定の矛盾が露呈しています。
差出人:American Express mvs@ado-King.com のちにtlxqouf@ado-King.comでも来ました。
件名:至急 ご利用代金お支払いのお願い
本文:
マイ・アカウント
アメリカン・エキスプレス
カード番号(下5桁):12007
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不審メールの実例⑤:もうとまらない!件名の再変更
同じドメインからさらに別パターンが届きます。カード番号は実例④と同じ「12007」ですが、件名が今度は「【American Express】カードご請求金額のご案内」に戻りました。「通常の案内 → 至急のお願い」という流れならまだ分かりますが、その辺の順序は完全に無茶苦茶で、システムが機械的に送りつけていることがよく分かります。
差出人:American Express tnesb@ado-King.com
件名:【American Express】カードご請求金額のご案内
本文:
マイ・アカウント
アメリカン・エキスプレス
カード番号(下5桁):12007
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不審メールの実例⑥:いつまで続く!カード番号を変えて再送
今度はカード番号の下5桁を「82007」に変更し、何事もなかったかのように最初の「ご請求金額確定のご案内」という件名で届きました。
差出人:American Express tihnmfq@ado-King.com
件名:[AMERICAN EXPRESS] ご請求金額確定のご案内
本文:
マイ・アカウント
アメリカン・エキスプレス
カード番号(下5桁):
82007
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AMERICAN EXPRESSを装う偽の差出人メールアドレスまとめ
これらはすべて偽装されている、または不正に乗っ取られた可能性のあるドメインです。以下のアドレスから届くAMEX名義のメールはすべて詐欺ですので、絶対にリンクを開かないようご注意ください。
- knagkhvj@konan-ah.com
- nym@microadvance.co.jp
- owl@ado-King.com
- tihnmfq@ado-King.com
- tnesb@ado-King.com
- mvs@ado-King.com
- tlxqouf@ado-King.com
- dkp@ado-King.com
- pldeslcu@froginc.jp
- uruzlyv@froginc.jp
- uftay@powersports.co.jp
- wjagqs@powersports.co.jp
- ilzapsx@powersports.co.jp
- pldeslcu@froginc.jp
- kf@bunon.jp
- pfb@ccf-hoe.co.jp
- duaalj@zoomcasting.jp
- ncpdfeidnl@kaken-job.jp
- huvsiic@t-midoriya.co.jp
- pqy@cardist.com
- vem@t-midoriya.co.jp
- ruwtzh@kkyamaden.co.jp
- ttx@abercrombie.com
- urrz@mi-na-mo.jp
- kosxrwjyry@yamatop.jp
- cd@yamatop.jp
- xuprut@kaken-job.jp
- powscm@shinagawa-housing.jp
ネットに潜む多種多様な詐欺リスクと被害を防ぐセキュリティ対策
結論として、これらはすべて実在する大手企業を騙り、個人情報やクレジットカード情報を盗み出すこと、あるいは不正な金銭支払いを要求することを目的とした「フィッシング詐欺メール(スパムメール)」です。
現在、ネット上にはこうしたフィッシング詐欺だけでなく、画面に嘘の警告を出して電子マネーを騙し取る「サポート詐欺」、極端な安値で釣る「ネットショッピング詐欺」、恐怖心につけ込む「セクストーション(性的脅迫)スパム」など、無数の罠が仕掛けられています。
日頃から「怪しい日本語を疑う」「URLを確認する」といった意識を持つことは大切ですが、昨今の詐欺手口は人間の目だけで100%見抜くのは限界に近い状態です。星の数ほどある脅威から大切な資産と個人情報を守るためには、「システム側で自動的にブロックする環境」を整えておくのが最も賢明な選択と言えます。
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フィッシング詐欺の他にも、サポート詐欺、ネットショッピング詐欺など、世の中は詐欺だらけです。ご用心、ご用心。
ネット社会を生きる上で、こうした外部からの見えないリスクを予見し、自分や家族の資産をディフェンスしていく意識は、ビジネスにおける「リスクマネジメント」や組織の「ガバナンス」と全く同じ構造です。想定されるリスクに対して、感情的にパニックになるのではなく、あらかじめ決めておいた「仕組みと規律」で淡々と処理していくスタンスこそが、最も強固な防御壁になります。
私は長年ボードメンバーを務めた小売業の後任のために作成した、本物の「組織統治・リスク管理の引継ぎ書」をそのままブログで公開しています。
個人事業主や40代からの起業で、理不尽なトラブルや外部からの攻撃に負けない強い組織の仕組みを作りたい方は、ぜひこちらの【40代からの起業】現場を動かす経営理論:第1講|王様と犬の組織をハックする「視座・視野・視点」も合わせてお読みください。
まとめ:不審なメールの正体と正しい対策
これらのメールの目的は、偽のログイン画面やカード情報入力画面へ誘導し、大切な個人情報や金銭を盗み取ること(フィッシング詐欺)です。
私のような個人事業主やECサイト運営者にとって、仕事用メールに届くこうした詐欺は、一瞬の油断がビジネスの停滞や大きな損失に直結する死活問題です。しかし、一般のユーザーであっても狙われているリスクは全く同じです。
身に覚えのない不審なメールであれば、リンクをクリックしたり返信したりせず、ひたすら無視(即削除)が鉄則。もし誤って情報を入力してしまった場合は、パニックにならず、速やかにカードの裏面にある窓口や公式アプリから一時停止・再発行の手続きを行ってください。
みなさんも、大切な資産やビジネスを守るために万全のセキュリティ対策を。
ご用心、ご用心。


