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【40代からの起業】個人事業主、車を買う

この記事は約15分で読めます。

個人事業主の私は自分の車をプライベートと業務の両方で使用しています。その為、車に関わる費用は家事案分をして業務分を経費計上しています。
今回、その車を老朽化により買い替えましたので、個人事業主としての会計上の処理を記事にしていきます。会計処理は、私が使っている会計ソフトfreeeで実際の操作をしながら解説していきます。

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固定資産と減価償却

今まで乗っていた車も、今回購入した車も固定資産です。また、今まで乗っていた車は事業に使っていた期間は減価償却をしてきましたし、これから新しく乗る車は減価償却をしていきます。

  • 固定資産
  • 減価償却

このキーワードはマストです。

これらを会計ソフトfreeeを使って管理します。取得日、取得価額などを入力すれば、あとは自動で減価償却を計算し、帳簿へ経費計上してくれますので、大変簡単で便利です。
こちらからfreeeの詳しいサービスがご覧いただけます。

  • 固定資産
    固定資産とは、事業活動において長期にわたって使用する目的で保有する資産をいいます。使用可能期間が1年以上かつ取得価額が10万円以上のものを指します。
    保有する固定資産は、その物理的な形態の有無や保有目的などにより3つに分類されます。
分類内容
有形固定資産物理的な実態を有する資産
建物、構築物、機械装備、車両運搬具、土地など
無形固定資産物理的な形や実態をもたない資産
ソフトウェアや特許権や商標権など
投資その他の資産投資有価証券、長期貸付金、出資金、差入保証金など
固定資産の分類

固定資産に該当する勘定科目で計上し、それぞれの償却年数に従って減価償却をしていきます。

勘定科目説明
工具器具備品工具や事務所で使用する器具・備品パソコン/冷蔵庫/家具/コピー機/電話 等
建物店舗・事務所・倉庫など事業のために所有する設備事務所・営業所/店舗/工場/車庫/倉庫 等
機械装置事業目的で所有・使用している機械もしくは装置ブルドーザー/パワーショベル/コンベア 等
付属設備建物と一体となって機能する建築設備店舗内装/電気設備/通信設備/空調設備等
土地事業目的で保有する土地事務所・工場・店舗などの敷地/駐車場 等
車両運搬具陸上用の運搬具自動車(普通乗用車)/トラック/ 等
ソフトウェアコンピュータプログラムなどのソフトウェアアプリケーションソフト 等
固定資産例
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  • 減価償却
    減価償却とは、資産は時間が経つにつれてその価値が減っていくという考え方です。
    10万円以上で1年以上使用する固定資産を購入した場合、一回で全額を経費計上するのではなく、数年に分けて経費にしていきます。例えば、普通自動車を新車で購入した場合、その法定耐用年数は6年ですので6年に渡って徐々に経費にします。

耐用年数

その資産が使える期間のことです。金属製事務机や椅子は15年、パソコンは4年と耐用年数が決められています。耐用年数が5年なら、5年にわたって減価償却費を計上していくことになります。
※土地や借地権は時間が経っても劣化しないので減価償却はできません。
税法定耐用年数は国税庁のページで確認することができます。

固定資産は新品でも中古でも購入して構いません。(購入した価格を取得価額といいます)新品か中古かで変わるのが耐用年数です。

中古資産の耐用年数

それまでに使われてきた資産なので、資産としての価値は少なく、残りの使用可能年数も短くなります。その為、中古資産の耐用年数は短く、早い年数で経費を計上することができます。

固定資産と節税対策についてはこちらの記事もどうぞ。

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車購入時の明細と対応する勘定科目

車を購入する際に提示される売買契約書や計算書の明細から、それらに対応する勘定科目、税区分をまとめると下記の通りです。明細の表現はディーラーや販売店によって異なります。

※下記は実際に私が中古車販売チェーン店で購入した際の明細です。
下取り車を納車日に自分で店舗に持っていくため、納車車両運搬費はありません。
車庫証明は自分で取ったため車庫証明代行費用はありません。

項目 明細 税込金額 該当する勘定科目 税区分
車両 車両本体価格 1,388,200 車両運搬具 課税
オプション
付属品
コーティング 140,250 車両運搬具 課税
ETCセットアップ 2,750 車両運搬具 課税
スタッドレスタイヤ 83,120 車両運搬具 課税
販売経費 点検整備費用 280,470 車両費  課税
車検費用 30,800 車両費  課税
納車車両運搬費 0 車両運搬具 課税
諸費用
代行費用
検査登録手続代行 50,600 車両費  課税
ナンバー変更手続代行 19,800 車両費  課税
車庫証明代行費用 0 車両費  課税
納車準備費用  27,755 車両費  課税
非課税 自動車税 8,500 租税公課 対象外
自動車重量税 32,800 租税公課 対象外
自賠責保険料 20,610 保険料 対象外
各種変更法定費用 1,900 租税公課 対象外
ナンバー変更法定費用 1,600 租税公課 対象外
収入印紙 1,100 租税公課 対象外
車庫証明証紙代 2,600 租税公課 対象外
各種預り金 リサイクル料 17,430 預け金 対象外
合計 2,110,285    

中古車販売店から提示された明細が細かく面倒に感じますが、実際には以下の勘定科目だけです。

  • 車両運搬具…購入月に経費計上せず毎月減価償却
  • 車両費…購入月に一度で経費計上
  • 保険料…購入月に一度で経費計上
  • 租税公課…購入月に一度で経費計上
  • 預け金…購入月に一度で経費計上

このような明細は車を購入する段階にならないとわかりません。購入月はいくら経費計上して、減価償却が毎月いくらになるのかは事前にわかないものです。そこで、事前に明細がわかる見積もりサイトがあります。

クルマ欲しい!新車見積MOTA

WEBから新車見積もりができるので、煩雑な諸費用や支払総額がわかるのはもちろん、複数メーカーに無料で見積りをとり、価格交渉までできます。
これなら事前に経費計算できる上に、価格交渉で支払額を抑えることもできるので個人事業主向きです。
見積自体は簡単なのでやってみて損はないです。

クルマ欲しい!新車見積MOTAについての詳細はこちらからどうぞ。

MOTAは新車でしたが、短期間で減価償却できる中古車も個人事業主にとっては魅力的です。

ガリバー「中古車在庫問い合わせ」「中古車ご提案サービス」

車種・年式・予算等の簡単な入力で、全国の新鮮な在庫の中から希望の車を探してくれます。2〜3分で入力完了する簡単で便利な無料サービスです。
ただでさえ大量に在庫しているのに加え、非公開在庫まで含めて探してくれますので、希望の車が見つかりやすいです。

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新しい車を会計ソフトに登録する

明細に対する勘定科目、税区分が決まりましたら、実際に会計ソフトfreeeに入力していきます。
車両費や保険料などは購入月に一度で経費計上するので取引登録のみ、車両運搬具は減価償却する為、取引登録してからさらに固定資産台帳へ登録します。

  • 取引登録

取引→取引の一覧・登録

登録すると、固定資産台帳への登録を促されますのでそのまま進んで登録します。

  • 固定資産台帳への登録

取引登録した車両運搬具については、一度に経費計上にならずに、特定の期間減価償却費として毎月計上されます。

固定資産台帳
固定資産台帳
項目詳細
資産の名前車の名称を入力するとわかりやすくなります。
取得日車を取得した日を入力します。
事業供用開始日基本的に取得日と同日です。
事業の用に供した日が取得日と異なる場合は入力します。
取得価額車の購入金額のうちの車両運搬具部分
勘定科目車両運搬具
償却方法個人事業主は事前に届出をしていない限り定額法です。
耐用年数国税庁が定める耐用年数表により算出します。
新車は6年、中古車は4年落ち以上であれば2年で償却します。
期首残高取得日=事業供用開始日であれば取得価額となります。
以前に取得し当期より事業の用に供した場合は異なります。
事業利用割合事業で使う割合を入力します。
償却情報 各項目の補足

入力が終わると、固定資産台帳への登録が完了します。
基本情報、償却情報を確認しましょう。月の減価償却費も自動計算されており、これが毎月経費として計上されていきます。

固定資産台帳
固定資産台帳 月ごとの減価償却費
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購入日と事業の用に供した日が異なる場合

私のように今までサラリーマン時代から乗っていた車を、個人事業主になってからも乗っている場合、

  • サラリーマン=非業務 100%プライベート
  • 個人事業主=非業務○○% 業務△△%

となります。これを自動車(固定資産)の事業転用と言います。
この場合、上記の例のように 取得価額 = 期首残高 とはなりませんので、少し計算が必要です。

項目 数値 説明
取得 2014年 サラリーマン時代
取得価額 3,222,750円 車両運搬具該当部分
事業転用 2021年 個人事業主になった年 事業に使い始めた年
非業務期間 7年 取得ー事業転用

非業務期間耐用年数

9年 =法定耐用年6年×1.5
※非業務期間の法定耐用年数は事業用の1.5倍
償却率 0.111 平成19年3月31日以前取得の為旧定額法 国税庁より

非業務期間減価償却費

2,504,077円 =取得価額 × 非業務期間耐用年数の定額法償却率×非業務期間
事業供用時点未償却額 718,673円 =取得価額ー非業務期間減価償却費
これが事業に使い始めた年度の取得価額になります。

表のように
サラリーマン時代の取得価額ー非業務期間の減価償却費=個人事業主としての取得価額
となります。

車を購入してから9年未満で個人事業主になったのであれば、減価償却費として計上できるので節税効果があります。

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車売却時の仕訳

新しい車を購入する際には、今まで乗っていた車を下取りや買取に出すことが多いのではないでしょうか。下取りや買取によって少なくとも数万円以上の利益が出ます。これは固定資産売却益(損)と呼ばれます。

固定資産売却益(損) = 売却収入 - (帳簿価額+売却手数料等の経費)
固定資産の簿価は、取得価額から「減価償却累計額」を控除した額です。
個人事業主の場合、固定資産売却益は「譲渡所得」となり「事業主借」で処理をします。

※下記は実際に私が中古車販売チェーン店で下取りをした際の明細です。

項目 金額
下取価格 243,000
下取の明細

この場合の固定資産売却益(損)を計算してみると、

売却収入 243,000円 - (帳簿価額 179,667円 + 売却手数料等の経費0円)
= 固定資産売却益 63,333円 となりました。

私のように、個人事業主が、
帳簿価額 179,667円(取得価額718,673円 減価償却累計額539,006円)の車を243,000円で下取りに出し、1,614,320円の中古車に買い替え、普通預金から現金で支払った 場合の勘定科目の処理は下記の通りです。

借方 貸方
普通預金 243,000 車両運搬具 1,614,320
減価償却累計額 539,006
事業主貸 832,314
借方 貸方
車両運搬具 1,614,320 普通預金 1,614,320
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古い車の売却を会計ソフトに登録する

明細に対する勘定科目が決まりましたら、実際に会計ソフトfreeeに入力していきます。
まず下取車の売却処理をし、そして売却代金の入金を登録をします。

  • 下取車の売却処理

確定申告→固定資産台帳
売却対象の固定資産をクリック→詳細画面右上の処理ボタン→ 除却・売却をクリックします。

社用車の売却

売却を選択し、償却設定、売却した日を入力します。
売却の仕訳を作成するにチェックを入れます。特別な事情がない限りは、チェックを入れた状態で売却処理をすることをオススメします。

社用車の売却

これで売却されました。
固定資産台帳には「売却済」と記載されています。

  • 売却代金の入金登録

取引→自動で経理
勘定科目に「事業主借」を選択しその他項目を入力の上、登録ボタンをクリックします。

下取車の売却処理と売却代金の入金登録の操作により、事業主勘定(事業主貸 事業主借)にそれぞれ残高が発生します。これらの残高は、固定資産の売却以外に生じたものも含め、確定申告書類作成時に自動的に相殺され、「元入金」勘定に加減されます。

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下取りと買取どちらがいいのか

車を買い替える時、多くの場合「下取り」と「買取」を考えることになります。どちらも車を売ることですが、仕組みが異なります。

  • 下取り
    販売店から新規の車を購入する際に、今まで乗っていた車を販売店に売却し、新規の車の購入資金に充てることです。
    下取りは査定から引き取りまでをすべて販売店に任せられますので、手間や時間がかかりません。
  • 買取
    中古車買取業者などに車を売却することです。下取りのように新規の車の購入とセットではありません。
    買取した車は中古車として販売されるのはもちろん、パーツに分解して販売する、海外に輸出するといった方法があるので、一般的に下取りよりも高くなると言われています。

    今回、私は車を売却するにあたって、何社か買取サイトで買取価格の相場を調べました。そうすると相場は20万円前後だということがわかりました。
買取相場
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実際に購入する中古車販売チェーン店で商談の際に、下取の見積もりをしてもらい、最終的には243,000円の見積もりになりました。調べておいた買取相場価格でも上の方だったのでOKとして下取に出しました。下取りの見積もりが10万円程度だったら、買取に出していました。

下取でも買取サイトで相場を調べておくと価格交渉しやすい

個人事業主としては高く売れた方が収入が増える(逆に言うと、高く売れた分だけ新しい車が安く買えるので支出が減らせる)ので歓迎すべきことです。

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まとめ

  • 減価償却を使ってうまく節税しよう
  • 車の売却は買取サイトをうまく使おう
  • 固定資産の管理は会計ソフトに任せよう

※掲載内容は私個人の見解であり、税務署や税理士の見解とは異なる場合がございます。

ありがとうございました。