私は2021年にサラリーマンを辞めて、個人事業主として起業しました。現在、個人事業主として家具・インテリア通販 daus lab ダウスラボを運営しております。
ネットショップの運営は3年目になります。1年目2年目は、複数店舗の出店、商品掲載、販促、メンテナンスなど忙しくしており、売上も順調に伸びていました。しかし、2年目後半以降売上伸長は鈍化し、右肩下がりの状態に陥っています。
収益自体はあるのですが、それだけで生計を立てるには至りません。
起業当初から、3年やってだめなら他も考えるつもりでいました。いよいよその時のようです。
他も考えると言っても、個人事業主を辞めるわけではありません。サラリーマンとのダブルワークをするのです。
仕事探し
私は前職を退職した直後、起業するタイミングでリクルートダイレクトスカウトに登録していました。
起業するのに就職サイトに登録する?
おかしな行動だと思いますが、これは自分を必要とする人がいるのかを把握しておくのと、個人事業主だけで生計がたてられなかった時にダブルワークで就職できるように保険を掛ける為でした。
リクルートダイレクトスカウトからは毎週のようにスカウトのメールが届きます。
- 住宅メンテナンスの営業
- 生命保険の営業
- 介護フランチャイズの営業
たまに、
- 新規事業の立案と実行の責任者
- 新規事業の推進メンバーへの加入
のようなスカウトも届きました。
営業は好きではありませんが、新規事業は前職でも担当部長であり、プロジェクトリーダーも多数やってきた経験がありますので、自信もあり、好きなことのひとつでもあります。
ただ、起業して2年目くらいまではこのようなスカウトは見るだけで、大して興味もわきませんでした。自身の事業をガンガン進めている最中ですから当然です。
職務経歴書
起業して2年が経ち、人様に言えるような売上になったころに、リクルートダイレクトスカウトの職務経歴書に、今やっている個人事業主の経歴を追加しました。
すると、
- 新規事業の立案と実行の責任者
- 新規事業の推進メンバーへの加入
- 支店長候補
のようなスカウトが増えました。
ただ、化粧品、介護、製造業などの業界が多く、また、勤務地が東京のものがほとんどでした。興味はありましたが、東京に行く選択肢は考えていませんでした。
それでも、個人事業主の経歴を追記したことで、新規事業系のスカウトが増えたことは嬉しかったです。個人事業主として企業に属せず一人でやっていることが評価されたような気がしました。
興味のあるスカウトが来た
起業3年目を迎えた夏の終わりに、リクルートダイレクトスカウトから一通のスカウトが届きました。直スカウト、面談確約と書いてあります。
- 老舗住宅会社
- 勤務地は現住所の隣の市
- 新規事業の企画、推進担当
私の大好きな「住まい」関連で、勤務地もいいですし、得意な新規事業の担当ということで、なかなか好条件です。
採用条件を見てみると、
【求める人物像】
- チームワークを大切にできる方
- 業務推進のために主体的に考え・行動できる方
【必須資格】
- 第一種運転免許
【歓迎】
- 不動産や法人営業の経験がある人
- 住宅や不動産に興味がある人(未経験者歓迎)
- 新規事業に興味がある人
ということです。
これ、完全に、俺向きやないかい。
早速、返事をして面談をすることになりました。
ただ、ダブルワークとはいえ、自分の中で就職することへの抵抗はありました。自分の夢を追って起業したのに、たかだか3年で他の仕事も探すのかと。
社長との面談
久しぶりに、スーツを着て、髭をそって、身だしなみを整えて、サラリーマンスタイルで本社を訪問しました。到着後すぐに社長がお見えになって面談スタートです。
いきなり社長面談です。若い社長で、私より10歳近く年下です。グループ会社がいくつかあり、親族が社長や役員をしているとの事でした。
スカウトを受けた理由や、今までの職歴などを聞かれ、採用条件の説明を受けました。私の方からも、会社の実績や、新規事業の中身、採用・雇用条件の詳細をお聞きしました。ダブルワークは会社の業務に影響がなければ可能ということでした。
そのなかで私の希望的観測と異なる部分がありました。
- 新規事業の企画、推進担当だから住まいに関するクリエイティブなことができるだろう
→実際には企画の前段階の仕入業務が7割。企画自体は既にパターンができているので、別の設計・施工舞台に引き継いでおわり。 - 求人票記載の年収は350〜550万円だから、私のキャリアなら550万円以上だろう
→年収400万円の提示 (月収26万円+ボーナス)
業務は企画ではなく営業であり、年収はかつての半分以下の400万円提示でした。イメージと異なる業務内容と年収。これが45歳の現実です。キャリアはかつての栄光、今は求職中のおじさんなのです。
先方が懸念していたのが、入社した際に私の上司になる人も私より10歳近く年下ということでした。その為、次回は私の上司になる人も交えた面談を行うことになりました。
私は年下も年上も仕事をする上では関係ないと考えています。(職責や権限は関係ありますが)年上も年下も、男も女も、社員もパートもアルバイトも、いろんなメンバーたちのリーダーを務めてきた実感です。
私はみんなが右と言っても、論理的に納得できなければ左へ進みます。同時に、左へ進む確固たる戦略を持っています。みんなから、よく、変わり者と言われました。
この会社にそんな45歳の変わり者おじさんが入ってもいいのか。変な遠慮が出てきました。
私の上司になる予定の人と面談
社長との面談後、10日くらいして私の上司になる予定の人と面談をしました。業務内容をまとめたパワーポイントの資料を基に、色々と説明してもらいました。
やはり企画の前段階の仕入業務が7割で、企画自体はほとんどないとのこと。仕入業務自体は地主さんへ伺ったり、仲介業者と情報交換したりと、人と会って話をすることが多く、一日の大半もこのような営業的な業務に割いているとのことでした。
業務自体に目標はなく、なんとなく「月○件やろう!」程度のものだということでした。数値目標がないことに驚きました。私は売上や粗利のような数値が無いと、目標を達成したのか、自分の仕事がどのくらい貢献できたのかがわからないので張り合いが出ないタイプです。
年下の上司やメンバーばかりで大丈夫か?と聞かれ、逆にそちらは大丈夫なのかと心配してしまいました。聞き方も馬鹿にされている気がして腹が立ちました。
結果は後日連絡するとの事で面談は終わりましたが、すでに「この会社には入らない」と結論が出ていました。業務内容と年収が私のイメージとかけ離れているからです。
後日、内定をいただきましたが辞退しました。
1回目の転職活動を終えて
- 自分の評価の低さ
- 未知の業界の業務内容は未知
ということを実感しました。
業界や勤務地を変えればリクルートダイレクトスカウトにはもっと経験を活かしたり、評価してくれる求人があります。1社の評価で全てを決めるのは合理的ではありません。
それと同時に、3年前にサラリーマンを辞めた時のあの想いが蘇ってきました。「自分のやりたいことがあるのなら会社に勤めていてはだめだ」
ダブルワークと言えども、本業の家具屋を差し置いて転職活動をしている自分を恥じました。そして、今の個人事業主の家具屋でもっともっと頑張ろうと思いました。
ただ、この家具屋の生業で家族を養っていけるのか、不安が尽きることはありません。
- 家具屋を続ける
- 家具屋を辞めてサラリーマンになる
- 家具屋とサラリーマンのダブルワークをする
葛藤しています。
企業に属したサラリーマンにならなくても、
4. 家具屋とクラウドソーシングのダブルワークをする
という選択肢を追加して、家具屋を続けるのも手です。
「得意を売り買い」で有名なココナラや、
日本最大級のクラウドソーシング クラウドワークスで、
まずは、今やっている仕事や前職の経験やスキルを活かすこともできそうです。
ありがとうございました。