半年以上前ですが、自分のショップページがコピーされて知らないサイトで使われているのを見つけました。この知らないサイトというのがネット通販詐欺サイトだったのです。
Google検索に表示されないようにGoogleに著作権侵害による削除という申し立てをし、Google検索画面から削除してもらいました。その後は検索画面に表示されることはなかったようなのですが、最近になってまた出てきました。
またか!
ネット通販詐欺サイトとは
ECサイトに偽装して、商品を購入させておいて商品を発送しない、もしくは偽物を送るという悪質なサイトです。
中にはIDやパスワード、個人情報を入力させて個人情報を盗み取ったり、クレジットカードを不正利用するサイトもあるようです。
消費者庁では悪質な海外ウェブサイト一覧を公表しています。
不安に感じる通販サイトがあれば、この一覧に該当URLが掲載されていないか確認してください。
消費者の被害はもちろん、我々EC事業者にも被害はあります。
- ページをコピーされることの著作権侵害
- ショップ名や連絡先を悪用され信頼を落としてしまう信用損失
- 検索で詐欺サイトが上位表示、オリジナルが下位表示になる機会損失
またか!ネット通販詐欺サイトを見つけた
2022年7月の段階で81件のGoogle 著作権侵害による削除の申し立てをし、以降表示されなくなりました。2023年3月の状況がどうなっているかというと…
Googleで「ダウスラボ」をエゴサーチしていると、上位には私のブログ、ECサイト、SNSのアカウントが表示されています。
上位は自社サイトです。
当方のピンタレスト、インスタグラムに続き、下の方に見知らぬサイトが2件ありました。見知らぬサイトは全検索結果の内この2件だけでした。
2022年7月は81件のURLをGoogle 著作権侵害による削除の申し立てをしていましたので、それに比べればかなり減っています。効果はあるということです。
なぜ詐欺サイトがGoogle検索に出てきたのか
Google検索エンジンの仕組みの一つに「キーワード」があります。
検索窓にキーワードを入力して検索すると、Googleが持っているデータソースから、そのキーワードと関連の高いサイトや画像などを表示するものです。
私のECサイトの場合、商品説明欄に下記のような文言を入れています。
【dauslab】 ダウスラボ は、「好きなモノとコトで好きな空間を創る」がテーマの家具・インテリア通販ショップです。空間創りの主役である家具や照明を、デザイナーズ、北欧、インダストリアルなどのこだわりのテイストで取りそろえております。
※文字数制限にかかる場合は商品説明を優先し、これらの文言は使いません。
「ダウスラボ」とGoogle検索すると、上記の文言が含まれているサイトは検索結果に表示される可能性があります。この文言を使っているのは私が運営しているサイトだけのはずですが、それ以外のサイトも表示されています。
つまり、詐欺サイトはこの文言をコピーして掲載していたので、検索にひっかかったわけです。実際に詐欺サイトに掲載されているところを見ると、商品名、商品説明、商品画像などページまるごとコピーされていました。
Google検索の上位にオリジナルサイトが表示されているのでまだましですが、詐欺サイトが上位表示でオリジナルが下位表示ではビジネスチャンスを損失しています。
また、消費者が検索した際に詐欺サイトを「ダウスラボ」だと誤認してしまうと、ダウスラボのイメージや信用が下がります。
このように、詐欺サイトがgoogle上に表示されることはマイナスでしかありません。
EC事業者の被害
- ページをコピーされることの著作権侵害
- ショップ名や連絡先を悪用され信頼を落としてしまう信用損失
- 検索で詐欺サイトが上位表示、オリジナルが下位表示になる機会損失
詐欺サイトを見てみる
検索結果一番下のデスクをクリックしてみました。
- 表示されているURL
ttps://gottionline.by/tetramera180/hvlyd2gf2.html
※アクセスできないようにhttpsのhを除いてあります。 - クリックすると表示されるURL
ttps://erv.balan.ink/lactarene/WY0lsUHht9.html
※アクセスできないようにhttpsのhを除いてあります。
表示されているURLからリダイレクトする仕様も昨年のVQE専門店と同じです。
ERV市場店?昨年のVQE専門店と似た響き、そしてサイトのレイアウトです。
下の画像が昨年発見したVQE専門店。
そっくりですね。
下の方へスクロールすると…
見覚えのある商品説明と一緒に「ダウスラボ」の文字を発見しました。
昨年と同じ手口です。当方が出店しているQoo10のページをそのままコピーです。
下の画像が昨年発見したVQE専門店。
さらにスクロールしていくとECサイトらしい説明があります。
昨年見つけたものと一言一句変わりません。これで同一犯確定です。
下の画像が昨年発見したVQE専門店の説明。
ページ最下部には会社概要がありました。
こちらは昨年見つけたものとは内容が異なるようです。
下の画像が昨年発見したVQE専門店の会社概要。
今回見つけたERV市場店と、昨年のVQE専門店では会社概要が異なります。
商品画像、商品説明、サイトレイアウトは同じでしたので、会社概要だけを差し替えて運営しているのでしょう。
詐欺サイトに関する最新の情報はこちらからどうぞ。
詐欺サイトの調査をしてみる
会社概要をひとつづつ確認していきます。
- 会社名:織田E-Shop
- 本社所在地:〒849-0906 佐賀県 佐賀市 金立町金立2215-111
- TEL:0805-334-6673
- FAX:0801-435-6633
- 創立:2003年1月
- 資本金:3,000万円
- 代表者:西浦孝洋
- 店舗運営責任者:小松直樹
- 従業員数:168
- 店舗連絡先:itsuki@typpo.online
- 会社名
Google検索にヒットしませんでした。
- 本社所在地
存在しました。民家というか倉庫のような建物です。
このサイトで購入した人の苦情や悲鳴は出てきませんでした。
- TEL・FAX
記載の通りでは検索にヒットしません。080-5334-6673と区切りを変えてもヒットしませんでした。 - 代表者:西浦孝洋
ご本人か、同姓同名の全く関係のない方か、名前を勝手に使われているのか…
- 店舗運営責任者:小松直樹
ご本人か、同姓同名の全く関係のない方か、名前を勝手に使われているのか…
下の画像の方以外にも同姓同名の方が何名かいらっしゃいました。
幸いなことに、いづれの検索にも消費者の方の苦情や悲痛な叫び、詐欺にあったなどの報告はありませんでした。詐欺被害がでないことを願うばかりです。
また、このサイトで使われている住所や名前が出ている方が、本人の意思に反して使われていないといいのですが。
ついでに、昨年見つけたVQE専門店の会社概要も再調査してみました。
- 会社名: 木村専門ショップ
- 本社所在地:〒349-0131 埼玉県 蓮田市 根金693ー1
- TEL:0806-122-6205
- FAX:0907-949-3226
- 創立:2020年2月
- 資本金:5,000万円
- 代表者:添田ロビー
- 店舗運営責任者:章本ひかる
- 従業員数:57
- 店舗連絡先:shinji@typpo.online
昨年とは会社名から全て変わっています。
いづれもGoogle検索にはヒットしませんでした(住所は実在するようです)
このように毎回手を変え品を変えやってくるわけです。
詐欺サイトに関する最新の情報はこちらからどうぞ。
詐欺サイトへの対応
前回同様、Googleに掲載されないようにします。
Google では、デジタルミレニアム著作権法およびその他の適用される知的財産法に基づく著作権侵害の申し立てを受け付けてくれます。承認されると、侵害している著作物を削除するかアクセスを不可能にしてくれます。
下記リンクより申し立てをします。
- 説明文
- フォームにに連絡先情報を記入
- 著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明を記入
著作権対象物を特定する情報=どの文章がコピーされているのか
- 当該著作物が許可を受けて掲載されている場所=自分のサイトのURL
- 権利を侵害している著作物の場所=詐欺サイトのURL
- 宣誓供述書の記入と署名
- 申請状況の確認
少し待つと完了になりました。
ネット通販詐欺サイトへの対策
- 証拠をとる
URL、スクリーンショットを保存して証拠として残しておきます。 - Google検索に表示されないようにする
上述の通りです。本来の自分のサイトが検索画面に表示されるようになります。 - 出品しているモールに通報する
モール出店の場合はモールや担当者に連絡しておきます。それぞれのモールには対策チームがあるようですので対処してもらえる場合もあります。 - ページを取り下げるよう直接依頼する
相手にもよりますが多くの場合は対応されないようです。 - 出品ページに自社のサインをつける
自社名を入れたオリジナルの文言を商品説明に入れたり、画像に自社ロゴを透かしで入れるなど。これによりコピーされた場合は容易に判断できます。
いたちごっこになる可能性は高いですが、やらないよりはましです。
まとめ
- ECサイトのページをコピーされるとEC事業者も被害を受けている
- Google検索に表示されないようにすることができる
- 詐欺サイトは何度でもやってくる
ありがとうございました。