Amazon は強力にセラー(出店者)を統括することで、Amazon全体の販売力や信用を上げています。
Amazonの看板を汚すような行為にはペナルティが課せられ、アカウントの健全性が評価されていきます。健全性が保てなければ最悪アカウント停止という結末になります。 逆らったところでどうにもなりません。
当店もAmazonに出店して数年経ちますが、Amazonからどう評価されているかはいつも気になります。(お客様からも)
Amazon で販売を続けたいのであれば、長いものには巻かれろと同じく Amazon にもまかれたほうが賢明です。ここでは Amazon がセラーを評価する指標「注文不良率」についてご紹介します。
アカウントの健全性
アカウントの健全性とは、Amazonから出店者への通信簿みたいなものです。
Amazonで出品する際に求められる、出品用アカウントでのパフォーマンス目標の達成およびポリシーの遵守についての概要が表示されます。購入者へ満足度の高いサービスを提供するために、Amazonが求めるパフォーマンス目標を達成できない場合、Amazonはこれらの指標について措置を講ずることがあります。
Amazonでは定期的に出品者のパフォーマンスを調査し、目標を達成できていない場合には通知を行います。この調査の目的は、パフォーマンスの低下により出品者のAmazonでの出品権限に影響を与える前に、パフォーマンスを改善する機会を与えることです。
プログラムポリシーの「アカウント健全性の確認」に定められている契約上必要なパフォーマンスの評価に準拠していない場合、出品用アカウントは停止されます。
Amazonより
アカウントの健全性は下記の通り構成されており、それぞれの項目は数値化され評価されます。
- カスタマーサービスのパフォーマンス
- 注文不良率
- 低い評価
- Amazonマーケットプレイス保証申請
- チャージバック申請
- 注文不良率
- 規約の遵守
- アカウント健全性評価
- 知的財産権侵害の疑い
- 知的財産に関する苦情
- 商品の信頼性に関するお客様からの苦情
- 商品のコンディションに関する苦情
- 食品および商品の安全性に関する問題
- 規約違反の出品
- 制限対象商品に関する規約違反
- 購入者の商品レビューポリシー違反
- その他の規約違反の問題
- ポリシー違反の警告
- アカウント健全性評価
- 出荷パフォーマンス
- 出荷遅延率
- 出荷前キャンセル率
- 追跡可能率
アカウント健全性ダッシュボード
アカウントの健全性に関する指標は、アカウント健全性ダッシュボードで確認できます。
セラーセントラル→パフォーマンス→アカウント健全性
日々更新されていきますので毎日確認しましょう。
Amazonのペナルティの全貌を知りたい方はこちらもどうぞ。
注文不良率とは
目標値:1%未満
注文不良率は、良好な顧客満足度を維持する能力を判断する指標。指定された60日間にカスタマーサービスの不備がある注文の割合です。注文不良率には以下の3つから成り立っています。
- 低評価率
- Amazonマーケットプレイス保証申請率
- クレジットカードのチャージバック率
低い評価が付けられたり、Amazonマーケットプレイス保証申請が承認されたり、クレジットカードのチャージバックが発生したりした場合、その注文は不良とみなされます。
注文不良率が1%を超えると、出品者出荷の出品停止など、出品権限の制限につながる場合があります。
出品者出荷の出品が停止となる可能性がある場合は、停止を回避するためのクイズを受けることができます。クイズに合格すると、パフォーマンス改善計画は必要なく、出品も停止されません。
私はクイズを受けたことが無いのでわかりませんが、できることなら1%未満でクイズなど受けない方がよろしいかと。しかし、クイズなんてユーモアのあることをしてくれますが、Amazonさんはそんなに甘くないですからね。
つづいて、注文不良率の3要素について詳しく見ていきます。
低評価率
低評価率は、特定の期間に低い評価を付けられた注文数を全注文数で割った数です。
低い評価とは、星1つまたは2つの評価を指します。購入者からの低い評価が少ない状態を維持している出品者は、Amazonのお客様を大切にする理念に従っているといえます。
- 高い評価: 星5つから星4つ
- 普通の評価: 星3つ
- 低い評価: 星2つから星1つ
購入者から低い評価を受けた場合は、低い評価の原因を特定し、以下のいずれかの方法で購入者と連絡を取り改善することもできます。
■購入者に評価を修正してもらう
低い評価の原因を特定し、改善できた場合は、該当する注文番号のアクションから購入者に連絡し、評価を修正してもらうことができます。
■購入者に評価を削除してもらう
購入者が誤った評価を送信したと思われる場合、評価削除の要件を満たしている場合は、評価管理から削除を依頼できます。
購入者が評価を残すことができるのは注文後90日以内で、評価を削除できるのは送信後60日以内に限られます。
パフォーマンス→評価から、評価管理画面へ
最近の評価の右下のアクションから選択します。
購入者が低い評価を取り消した場合、該当する注文は注文不良率としてカウントされません。
誤った評価だと思われる場合は積極的にこの機能を使うのがいいでしょう。大前提として不良品を出さない、適切な発送をするなどができていなければなりません。
Amazonマーケットプレイス保証申請率
指定された60日間に該当する保証申請が行われた注文数を全注文数で割った数です。
注文不良率に影響する申請は、以下のとおりです。
- 購入者に対して承認された申請、Amazonが出品者の責任であると判断した申請
- 申請の受領後に出品者から購入者への返金処理が行われた申請
- 出品者またはAmazonが注文をキャンセルした申請
- 申し立てが裁決待ちの申請
以下の申請は、注文不良率に影響しません。
- Amazonが出品者の責任ではないと判断した申請
- 購入者に対して却下された申請
- 購入者が取り消した申請
Amazonマーケットプレイス保証
購入者に一貫性のあるサービスを提供することを保証するものです。購入者がある注文に対して満足していない場合、出品者が購入者と直接その問題を解決できるかどうかは、Amazon全体の利益につながります。最終的に購入者の満足度が向上すると、出品用アカウントは健全で優良な状態を維持できます。
購入者は、2つの問題についてAmazonマーケットプレイス保証を申請できます。
1.購入者が商品を受領していない
例: 最長お届け予定日(出荷作業日数と配送所要日数の合計)または有効なお問い合わせ伝票番号のリンクから確認できる配送日のうち、いずれか早い方の日付から3日以内に商品が配送されなかった場合。
購入者が保証申請の対象となる条件:
- 購入者が お届け予定日から3日経過するまで待った後でマーケットプレイス・メッセージ管理を通して出品者に連絡しており、かつ
- 購入者の最初のメッセージから48時間以内に、出品者と購入者の間で問題を解決していない。
2.商品が購入者の期待どおりではなかった
例:
(i)購入者が受領した商品が破損している、不良品である、注文した商品と実質的に異なる、または購入者が考えを改め、Amazon返品ポリシーに従って商品を返品したが、返金されていない、あるいは間違った金額が返金された。
(ii)購入者が海外からの返品を希望しているが、出品者が(1)国内の返送先住所を用意していない、(2)送料支払済み返送用ラベルを用意していない、または(3)商品の返品を要求せずに全額を返金していない。
(iii)出品者が負担しない追加料金(税関手数料など)が課されて、購入者に購入金額を上回る請求が行われた。
購入者が保証申請の対象となる条件:
- 購入者が 返品リクエスト経由で出品者に連絡しており、かつ
- 購入者が返品リクエストを送信してから48時間以内に、出品者と購入者の間で問題を解決していない。
Amazonより
クレジットカードのチャージバック率
特定の期間にクレジットカードに関する問題による払い戻し(チャージバック)が発生した注文数を、全注文数で割った数です。
クレジットカードに関する問題によるチャージバックは、Amazonマーケットプレイス保証申請と似ていますが、判断するのはAmazonではなく、クレジットカード発行会社になります。
- 購入者が商品を受領していない。
- 購入者が商品を返品したが、返金されていない。
- 購入者が受領した商品が破損品または不良品だった。
チャージバック申請はクレジットカード名義人が、クレジットカード会社の請求に対して異議を唱え、払い戻しを求めることです。
チャージバックには2種類あります。
- クレジットカードの不正使用によるチャージバック
購入者が購入していないと主張する場合。クレジットカードが盗まれて、不正使用された場合などが含まれます。この場合、出品者が責任を問われることがないようAmazonが保護します。 - サービスに関する問題によるチャージバック
購入者は請求について認識しているものの、取り引きに問題があったことをクレジットカード発行会社に主張する場合。クレジットカード会社が購入者の主張を認めると、注文不良率に影響します。
注文不良率のペナルティを回避
注文不良率と3つの要素を見てきましたが、これらのペナルティを受けないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
「カスタマーサービスのパフォーマンス」を評価されているわけですので、Amazonの目指すお客様ファーストを実践していくのみです。
- お客様の期待を超える商品をと価値を提供する。
- お客さまの希望通りの配送を実現する。
- お客様の希望に沿う
「客の言いなりじゃねーか!」と思うのであれば、Amazonへは出品できません。返品も返金もお客さまに優先権があるように、セラーはお客様とAmazonの言う通りにしなければなりません。
Amazonは4つの理念を指針としています。
- お客様を起点にすること
- 創造への情熱
- 優れた運営へのこだわり
- 長期的な発想
Amazonは地球上で最もお客様を大切にする企業を目指していますので、我々セラーも同じ方向を向いていなければなりません。
チャージバック申請は事故なのであきらめましょう。
まとめ
- アカウント健全性は毎日確認する
- お客様とのやりとりで改善できるものもある
- Amazonのように地球上で最もお客様を大切にする
ありがとうございました。